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2017-09-12 14:27:00

最近の子供は歴史上の人物をほとんど知らない。スポーツ選手を好きになるのも悪くはないが、偉人の伝記を読ませる工夫も必要だ。教材に西郷隆盛や福沢諭吉を使わない教育は破滅する。子供を鍛えよ。

 

笹川良一


2017-09-08 18:12:00

生きることは一生をかけて学ぶべきことである。そして、おそらくそれ以上に不思議に思われるであろうが、一生をかけて学ぶべきは死ぬことである。

 

セネカ


2017-09-07 18:13:00

いい文章は、知らぬ間に自分の中を研ぎ澄ます。無心で人と向き合うために、僕はだから本を読む。

 

児玉清


2017-08-29 19:54:00
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『西域物語』井上靖(新潮文庫)

じつは井上靖は、三島由紀夫よりもノーベル文学賞候補にずっと近い作家であったことが最近話題となった。(安部公房もその候補者の一人)
彼が描く歴史小説は、司馬遼太郎氏のそれとはかなり異質なもので、なかなか作者の思潮が明確な形で表現されず、最初はなかなか取っ付きにくいと思われるがいかがだろうか?(実のところ、正直を申せば、我輩は彼の世界に没入するのに一苦労した。)
平成時代の小中学校の国語科教科書を覗くと、彼の作品である『しろばんば』や『あすなろ物語』などは、遠い昔話になってしまったようだ。(教科書編集者は、なぜこうも現代流行作家に色目を使うのだろうか?)
この西域物語を今回推薦する最大の理由は、現在戦争ならびにテロ活動で入国不可能となっているアフガニスタン紀行が後半に掲載されていること、また作家自身が被写体となった写真が散りばめられ、地理的、歴史的視点を背景に臨場感ある紀行文体となっていることが挙げられる。この夏休みに、残念ながら旅行出来なかった生徒諸君!『西域物語』を読んで、暫し作者とゴビ砂漠からカスピ海へ大旅行をお楽しみあれ!


2017-08-28 20:20:00
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『ローマ人の物語』塩野七海(新潮文庫)

 

「作家塩野七海は、歴史学の基礎的技法を下地とした解釈ではなく、作家の想像力をフルに織り交ぜた技法を用いて歴史描写をするので、どことなく違和感を持たざるを得ない」という評価が、我輩の周りでよく耳にした歴史学を専攻する人たちの彼女への評価だった記憶がある。
E・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』はもちろん名著であると同時に、世界史を学習する人の必読書であることに今も変わりはないが、例えば、この歴史的名著がカトリック色の強い書物という理由だけから、その評価を下げるということはあるのだろうか。同様に、真性保守派(?)から見た司馬遼太郎氏の、いわゆる「司馬史観」への批判についてはどうなのだろか。
つまり、誰もが納得する価値中立的な歴史観をねだるのは不可能と割り切って、言わば楽しみながら、何か新たな視点のヒントを与えてくれるものと期待して、我輩は彼女の作品には向き合っているのだが、こうした態度はいかがなものだろうか。
歴史解釈をめぐる問題に関しては、すぐに結論が出ないので、今後も粘り強く取り組んでまいりたいと思いまする。

それにしても、ローマ帝国という息の長いテーマに真正面から取り組む塩野七海氏に心から敬意を評し、今回の推薦の書としたいのであります。


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