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2017-11-24 16:38:00
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『ヨーロッパ歴史紀行 死の風景』(立川昭二)

メメント・モリ(死を想え!)

果たしてここから何をイメージされるだろうか?

本書は壮大な時空の中で展開されてきた(もちろん、現在も進行中である!)死を主題としたヨーロッパ文化理解のための優れた文化史である。古代エジプトから現代に至るまで、死への眼差しを様々な角度から掘り下げつつ、現代人が忘却の彼方へ追いやった「生と死の尊厳」について、改めて考えるヒントを散りばめた内容となっている。
とりわけヨーロッパ中世から近世初頭にかけて、死は極めて身近な存在であり、その死と戯れる様相を振り返ったとき、我が日本においても長らく死は怖れや穢れの対象であったと同時に畏敬の眼差しに晒される何かでもあったと考えられる。
現在高度な医療技術が進化することに反して、いのちの重みが低下していく現象や、死に行く者との連帯をどこか希薄にさせている医療空間を介護として考える際にも、また生命倫理の基本書として活用する際にも本書を参考にしてはいかがだろうか?


2017-11-23 10:04:00
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『30の発明から読む世界史』(日経ビジネス人文庫)

 

小学校から高校まで自分が受けた学校の授業内容を振り返ってみて思い起こすのは、特に歴史分野がつまらなかった印象が強く思い出として残っている。その理由はごく簡単で、失礼ながら当時指導された先生方自身の勉強不足、あるいは別の言い方をすれば、彼らのこの分野への読書量があまりないことで、魅力的な話を欠くことに至ったことが、その大きな理由となるのではと思う(恩師方々、不遜な発言をお許しくだされ!)。しかし最終的要因としては、当時の自分の視野の狭さに行き着くと思う。(自分への反省を込めて)
今回の本は、書き下ろし形式とは言え、暗記ものとは全く無縁の構成となっており、例えば「文字」「道路」「眼鏡」など日常生活と関連が深いテーマを取り上げて、その史的背景を小学校高学年生でも理解できる筆致で書かれることで全く飽きさせない内容となっていることに特徴がある。つまり大変読みやすい内容になっており、読後少しもの足りなさが残ることで、自分から関連分野を検索してみたい誘惑にかられることがこの書のねらい(?)ではないだろうか。一読をお勧めしたい。


2017-11-04 17:59:00

撮影旅行や転々と場所を移るときも―私は道中、どんな本を持って行こうかと考えて落ち着かない。

 

エイゼンシュテイン


2017-11-03 18:00:00

語り得ぬことは沈黙せねばならない。

 

ウィトゲンシュタイン


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