『30の発明から読む世界史』(日経ビジネス人文庫)
小学校から高校まで自分が受けた学校の授業内容を振り返ってみて思い起こすのは、特に歴史分野がつまらなかった印象が強く思い出として残っている。その理由はごく簡単で、失礼ながら当時指導された先生方自身の勉強不足、あるいは別の言い方をすれば、彼らのこの分野への読書量があまりないことで、魅力的な話を欠くことに至ったことが、その大きな理由となるのではと思う(恩師方々、不遜な発言をお許しくだされ!)。しかし最終的要因としては、当時の自分の視野の狭さに行き着くと思う。(自分への反省を込めて)今回の本は、書き下ろし形式とは言え、暗記ものとは全く無縁の構成となっており、例えば「文字」「道路」「眼鏡」など日常生活と関連が深いテーマを取り上げて、その史的背景を小学校高学年生でも理解できる筆致で書かれることで全く飽きさせない内容となっていることに特徴がある。つまり大変読みやすい内容になっており、読後少しもの足りなさが残ることで、自分から関連分野を検索してみたい誘惑にかられることがこの書のねらい(?)ではないだろうか。一読をお勧めしたい。
撮影旅行や転々と場所を移るときも―私は道中、どんな本を持って行こうかと考えて落ち着かない。
エイゼンシュテイン
語り得ぬことは沈黙せねばならない。
ウィトゲンシュタイン
秋の読書会書評もうすぐスタート!
過ぎて帰らぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道である。
シェイクスピア