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2017-08-25 16:51:00
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『たのしむ数学10話』足立恒雄(岩波ジュニア新書)

 

数ある数学史分野の中で、意欲ある中学生(あるいは小学生?)からその保護者たる大人まで、誰が読んでも最後まで無理なく数学の面白さに引き込まれる内容になっており、推薦したい一冊である。
ところで、学校教育で使用されるテキストに関して一言。私が知る限り、アメリカとイスラエルの数学教育(中高生用)で使用される教科書テキストと日本のそれとを比べると、アメリカ-イスラエル版が格段にページが分厚く、中身も濃い状態になっていることに驚かされた経験がある。(我輩は、初級ヘブライ語しか分からないので、イスラエル版を全部読みこなした訳ではないが、)この背景には、どうやら両国が積極的に能力別の理数教育を行うことで、将来にわたる国の命運をかけていることと深い関係があるようだ。生徒が学習を進める中で、知らず知らずに、飽きずに没頭できる教科書があれば、確かに理想ではあるが、そうそうにお目にはかかれないだろうが、サブテキストとして数学史に触れた内容に触れて一層の理解を深めてもらいたいと思いまする。